似た者同士の恋物語
「…」



……あの時に戻ったと勘違いしそうなくらいに


そっくりだった



「…」


今は青葉の桜の木の下

小さくうずくまる女の子の姿



ゆっくり近づいて

やがて、気配に気づいた様子の三崎が
ぴくりと反応する


「……三崎。ありがとう。来てくれて」


そっと隣に腰をおろして
怖がらせないよう優しく話しかける


「…」


三崎は無言で顔を隠したまま



三崎から戸惑いの気配を感じる


きっと、なんて言葉を返すべきかとか
色々、悩んでるんだと思う

多分、俺の顔も怖くて見れないんだろう



それでもこうして


……会いに来てくれた



俺はそれがなによりも嬉しくて
< 171 / 192 >

この作品をシェア

pagetop