似た者同士の恋物語
「……三崎は俺をどう思ってる?」


……
……
……
……



長い沈黙


だけど待つ


どれだけ時間がかかっても
三崎は答えてくれるって確信したから



「…………あのね……」



やがて、三崎はうつ向いたまま口を開く



「うん」


「……私、鴻鳴、君に……
ずっと……言いたかった言葉があるの……」


「うん。……教えて?」


……
……
……



「……鴻鳴君がすき……」



今にも消えそうな声

だけど、それはしっかり俺の耳に届いた



「……鴻鳴君を、他の人にとられるの……やだ……」



泣きながら
それでも懸命に気持ちを俺に向ける三崎



「…うん」


「……私だけの、鴻鳴君になって、欲しい……」


「うん」
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