似た者同士の恋物語
……
……


……愛しいって、思った


三崎の口から紡がれる言葉が全部

嬉しくて
可愛くて


愛しくて


その小さな体を思い切り抱き締めたい


不安そうな、怖がるようなその声を

今すぐ消してあげたい


三崎の中にある恐怖心を全部、取り除きたい




「……うい」

「、」


初めて呼んだ名前にびっくりしたのか
反射的に顔をあげた三崎


ぱちりと目が合う


「……やっと、顔見れた」

「っ」


久しぶりのその顔が泣き顔だった事が
ほんの少し悔しかったけど

それでも、こうやって顔を合わせて話せる事が
すごく、嬉しくて


自然と三崎の……ういの顔に手が伸びた



「……俺、ういにずっと言えなかった言葉がある」



ずっと、言いたくて


でも


言えなかった言葉



「あのさ、うい」




「好きだよ」
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