似た者同士の恋物語
私じゃなくても



「あれ…?三崎(みさき)、家の前に誰かいるよ」


「え?」



もう家は目前というところで先輩が声をあげた

俯いていた顔をあげて確認すると

先輩の言う通り、自宅前に人がいた
今しがた玄関から出てきたみたい



「あ」


傘を開こうとしている
見覚えのあるその人に声をあげる


注がれる視線に気付いたのか
その人もこちらに顔を向けた


「うい。おかえり」


私の姿を捉えるなり
小さく笑ってそう言ってきたのは
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