似た者同士の恋物語
「倖お兄ちゃん」


その人だった




「遊びにきてたの?」

「うん。ういは……彼氏に送ってもらったの?」


倖お兄ちゃんがちらりと先輩を見る
私は慌てて否定した


「ち、違っ……お、同じ学校の先輩っ!」

「……へぇ?」


あからさまに動揺する私を見て
察しの良い倖お兄ちゃんはぴんときたようで
一瞬、にやりと笑った



~~っ、ぜ、絶対ばれた……


倖お兄ちゃんのこの何かを企むような顔


……嫌な予感がする



「初めまして。ういの家の隣に住んでる幼馴染の矢橋倖(やはしこう)です」


「あ、初めまして
夏見鴻鳴(なつみこうめい)です」


ぺこりと頭をさげる倖お兄ちゃんと鴻鳴先輩

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