似た者同士の恋物語
俺の右肩が濡れていることに気づいた三崎が慌てて俺の方に傘を押し返そうとする


「だめ」


とっさにその手をおさえた


「俺はいいから」


全身びしょ濡れになってるわけじゃないし
このくらい平気


「っ」


……あ。しまった……


三崎の視線が俺のその手に向けられてるのに気づいて、ぱっと手を離した


……そんな長く触れたわけじゃないけど、嫌だったかな


不快な思いをさせてしまったかと内心焦る
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