似た者同士の恋物語
……ん?


三崎の家までもう僅かというところで
その家から出てくる人物を見つける


「あれ…?三崎、家の前に誰かいるよ」


「え?」


俺が声をかけると俯いていた三崎は顔をあげて、その男に視線を向けた


俺達の視線に気付いたその男もこちらに顔を向ける



「うい。おかえり」


……『うい』


三崎を呼び捨てで呼ぶその男に胸がもやっとする


……どんな関係だ?


三崎に彼氏がいないのは確認済みだけど
こんな風に親しげな雰囲気を向ける男がいるなんて知らなかった


ざわざわと内心に広がる動揺



「倖お兄ちゃん」



隣の三崎が声をあげる
その言葉に目を丸くした


……お兄ちゃん?

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