似た者同士の恋物語
「甘いものか
……食べものだったら、物と違って残ったりしない分選びやすいかもね」


鴻鳴先輩はさほど気にせず聞き流してくれた
それにほっとしながら
私もフロアマップを見つめる


「ここ。お菓子のお店多いですね」

「結構、女の子に人気のお店多いらしいよ
クラスの女子が騒いでた」

「鴻鳴先輩は甘いものとか好きですか?」

「食べれなくはないけど、甘すぎるのは苦手。
ビター系のお菓子は好き」



……なんだろう


学校じゃないからかな

緊張はするし、どきどきも止まらないけど

でも、


……普通に、話できてる……


流れからさりげなく質問もできる


自分が思っていた以上にスムーズに鴻鳴先輩と話せてる事に驚いて


でもそれが嬉しくて


「とりあえず色々見てまわろうか」

「はい」


自然に鴻鳴先輩に笑顔を返せたんだ
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