似た者同士の恋物語
「…俺が、つけてもいい?」

「……え?あ、はい……」



……
………………え?


とっさに頷いてしまって


ん?と思っても、もう遅くて

先輩は私の手からネックレスを取って
ゆっくり私の首に手を回す


「……っ」


ち、近っ……


ふわりと香る清潔感のあるせっけんの匂い


首の後ろ
留め具を確認してるだけなんだろうけど

回された腕と
至近距離の先輩の横顔

まるで、抱き締められてるみたいで


どきどきが止まらなくて



こんなに心臓の音が大きかったら
先輩に聞こえちゃうんじゃないかって
私はひとりで焦っていた
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