似た者同士の恋物語
「………そうだね」


そうだ

諦められないなら
渡したくないなら

自分から動くしかないんだ


上手くいかなくても
失敗しても


それでもがむしゃらに動くしかない



「……秋兄、ありがとう」

「……頑張れよ」


もやがかかって見えなくなっていた思考が
すっきりする

そんな俺に秋兄は普段は滅多に見せない
優しい笑顔を浮かべて


俺の頭に軽く手を乗せて
リビングを出ていった


「……ほんと、秋兄はすごい……」


言葉数は少ないけど

いつだって
秋兄のその言葉は真っ直ぐ俺の中に入ってきて


いつだって


俺に力をくれるんだ
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