似た者同士の恋物語
窓から覗く外の景色も段々薄暗くなってきた


名残惜しかったけど
三崎に声をかけて、最後に通りかかったその店を覗いて帰ることにした



それほど広さはないけど
女の子の好きそうな雑貨がたくさん置いてある


「…」


ファンシーな店内を
一通りぐるりと見てまわった俺は

店の一角でなにやらじっと見つめている三崎に気付く


……
……ネックレス?


近づいて後ろから見てみれば
三崎の手の中には猫型のネックレス

よっぽど気になったのか三崎はじっと
それは眺めてる


……欲しいのか?


悩むように口許に手を置いて
真剣な表情を見せる

けど

吟味の末、三崎は結局
そのネックレスをもとの場所に戻そうとする


「買わないの?」


とっさに声をかけた
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