幕末パラレル物語
「住まわせてほしい、というのはなぜだい?」


「少し言い方を間違えたかもしれないわね。匿ってほしいの」


局長の目が細く鋭くなった。


「匿う?」


「そう」


私は逃げてきたの。


「兄が、私を幽閉して殺そうとした。だから逃げてきたの。苗字をむやみやたらに言えない理由もそれよ」


驚いて目を見開き、眉をひそめる男たち。


まあ、兄が妹を殺そうとするなんて、普通ありえないことだものね。

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