幕末パラレル物語
土方side


「へぇ…」


総司がにやりと笑う。


もうさっきまでの繕った笑みはない。


やっちまったな、この女…。


「土方さん、やっぱりこの子間者かもしれませんね」


「どうしてそうなるのよ」


そう言って、今度は天李がため息をつく。


「だって殺気に気づいたし。さっきだって足の動かし方に無駄もなかったからね」


原田が大きく頷く。

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