幕末パラレル物語
私だって、いきなり他人と過ごせなんて言われてすんなり受け入れることはできない。


いったいどうす…。


「じゃ、俺の部屋においでよ」


「いいのか、平助」


…いた、優しい子が。


こちらが恐縮しそうなほどの笑顔で手を差し出してくる。


「俺のことは平助って呼んでいいから。よろしく天李!」


「平…助。平助、ありがとう」


なんとなく気恥ずかしくて、軽く握るだけにしておいた。

< 29 / 116 >

この作品をシェア

pagetop