幕末パラレル物語
そう言って口元を緩め、少しずつ顔を近づけてくる男。


怖い気もしたけれど、それよりも周りの面白がるような視線を感じて、無性に腹が立った。


私が見惚れているとでも思ったのかしら。


確かに美しい顔立ちだけど。


男の目をまっすぐ見返す。


男が驚いたように目を見開き、体が止まった。


その瞬間に、パッとその顔めがけて足を蹴り上げる。


「!」


が、それはいとも簡単に男に掴まれた。

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