幕末パラレル物語
天井の板が外れ、監察方兼医療方の山崎が降りてきた。


「どう思う」


「…これまでは大名の娘かと考えていましたが、剣や銃まで使いこなせるとなると、武家または忍の一族とも考えられるかと」


「そうだな」


山崎の言う通り、俺たちは天李のことを大名家の出だと考えていた。


それも、だいぶ位の高い家。


そう考えると細かい所作の美しさや、調べても情報が出てこないことにも辻褄が合うからだ。


だが、武器の扱いに長けていることと…。

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