幕末パラレル物語
『人を殺しそうな目…いや、殺したことのある目、してましたよ』


芹沢の扇を撃ち落とした時の様子を、総司はこう表した。


こいつの目に間違いはないだろう。


ならば、ただの大名の出というのは考えものだ。


ふと、視線が天李から取り上げた銃弾に向く。


鈍い光を放つそれがどれほどまでの威力をもっているのか、俺たちは知らない。


そう思った瞬間、何か世界に置いていかれているような、遅れをとっているような気がした。


もしかして、俺たちは…。

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