幕末パラレル物語
天李side


「こうして話す時間もこれまでなかったですしね。ゆっくりして下さい」


軽く会釈をして、手にしたお茶を啜る。


ほんのりと甘みがあって美味しい。


ちらりと横を見ると同じくお茶を飲んだ山南さんが、ほうっと息をついた。


なんだか、不思議な人だわ…。


彼がもつ穏やかな雰囲気に絆されそうになる。


けれどこの人も壬生浪士組の幹部の1人。


そして私を呼び出したのも…。

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