幕末パラレル物語
「そう警戒しないで下さい。問い詰めたり取り上げたりするつもりはありませんよ」


「…見透かすのはやめてほしいわね」


少し気まずくなって、視線を目の前の雑草に向ける。


私たちは2人で、山南さんの部屋の縁側に座っていた。


さわさわと涼やかな風が頬を撫でていく。


「見せてもらっても、いいですか」


覗き込まれた顔を、真っ直ぐ見返した。


その目には、純粋な知識欲が浮かんでいる。


疑惑はその延長にあると判断した私は、その手のひらに銃を乗せた。




< 89 / 116 >

この作品をシェア

pagetop