Food Everyday
ケーキ屋に入ると、「いらっしゃいませ!」と明るい声が出迎える。爽やかな雰囲気のパティシエさんがいた。

「いらっしゃいませ!昨日オープンしたばかりなんですよ」

パティシエさんはそう言って笑う。私は「昨日!?」と驚いてしまった。しかし、小春は無表情だ。

「まあ、まだ知名度はありませんけどケーキの腕には自信がありますよ〜」

そう言って、パティシエさんはスイーツを二つ私たちに渡す。

「えっ、これ……」

首を傾げる私に、パティシエさんは「サービスです」と微笑む。そしてスイーツの説明をし始めた。

「こっちのお菓子はタルト・タタンと言います。型の中にバターと砂糖で炒めたリンゴを敷き詰め、その上からタルト生地をかぶせて焼いたフランスのお菓子です!こっちはパンナ・コッタと言い、イタリアのお菓子です。ゼラチンでとろみをつけ、型に入れて作るつるりとした口当たりの甘いクリームデザートです」

私はタルト・タタンを、小春はパンナ・コッタを口に入れる。疲れた体に甘さがパワーをくれるような気がした。おいしい。
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