Food Everyday
洋菓子は心を落ち着かせる
「……ううッ……ヒック……」

「ほら、泣かないの。ちゃんと勇気を出して言ったんだから……」

私、内山沙英(うちやまさえ)は隣で泣き続ける山岡小春(やまおかこはる)の頭を撫でた。

私たちは同じ会社で働くOL。同い年ということもあり、仲がよい。

小春はずっと好きだった先輩に告白し、さっき振られたばかり。先輩には付き合っている人がいるとのこと。

何を言っても小春はずっと泣き続けている。周りの視線もあり、私はため息をついた。

「ねえ、仕事終わったらさケーキでも食べに行かない?こういう時って甘いものでしょ」

そう言いながらうつむく小春の肩を叩く。小春はゆっくりと頷いた。

そして早めに仕事を終わらせ、私は小春の手を引いて街を歩く。街は少しずつ薄暗くなっている。

隣にいる小春は会社でいる時と同じく暗い表情だ。

「小春!ここにすてきなケーキ屋さんがあるよ!」

暗い空気をなんとかしたくて、私は思わず近くにたまたまあったケーキ屋を指差す。新しくできたお店のようだ。
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