この世界を見つめて
さて、僕の人生について話そう。

僕が生まれたのは、遥か昔。まだ、住宅街もスマホもなかった頃だ。周りには、森と海しかなかった。
確か40億年くらい前だっただろうか。本当に何もなかった。でも、水源には、恵まれていた。僕の7割くらいは海だ。でも、僕はあと少し太陽に近くても、遠くても、水源は豊かではなかったらしい。
だから、僕はこの位置に地球として存在できていることにとても感謝している。水源が豊かでなかったら人間という仲間を育むことはできず、ひとりぼっちだったから。

僕は、この位置に生まれることができて、奇跡だと思っている。もし、あと一歩間違えていたら、独りで、長い間過ごさなければならない。言い方は傲慢だと思うけど、人間は僕の所に生まれて、生きているだけでも奇跡なんだ。

人間のことを散々けなしてしまったが、人間には、感謝しているんだ。何もない僕にたくさん道具をつくって、豊かにしてくれたし。

でも、道具の発明で人間の間でも格差ができているようだ。僕の発展のために発明された道具が戦争に使われてしまい、とても悲しい。それに、道具は人間に怠惰の道へと引きづり込んだ。

最近、僕の体調は悪い。熱は高いし、視力もも衰えてきた。

だから、最後に伝えたい。僕を豊かにしてくれた人間の原点は、悩みだったと思う。最終的には、僕の死に近付いてしまったが。その事については、自分達自身のことをあまり恨まないでほしい。

まあ、要するに僕の言いたいことは、悩み自体は悪いものではないから、間違った道に進まないで欲しいということ。悩みのことをあまり悲観しないで欲しいんだ。悩みは自分自身や仲間のことを思って頑張っている証だから。
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