君のとなりで恋をします。─上─
第一章
私の幼なじみ
朝7時10分発のバス。
家からおよそ10分ほど歩いたところにある小さなバス停。
360度どこを見渡しても山が見えるのどかな町並み。
今日もいつもの風景。
いつもの日常。
もちろん私、成宮香純(ナリミヤ カスミ)もいつもの如く隣に住む〝ヤツ〟を起こしに行く。
「ヨシ子ばあちゃん、おはよ!」
「おやおや。まぁ香純ちゃん。
あの子ったら、まだ寝てて…。」
「え!?まだ寝てるの!?」
腰の曲がったヨシ子ばあちゃんの横を通り抜け、階段を駆け上がる。
今は6時50分。
バスの時間まであと20分しかないのに…!
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