君のとなりで恋をします。─上─
しばらく歩くと、彼女の部屋の明かりが見えてくる。
一人で勉強してんのかな…?
しょうがねぇから、たまには教えてやるか。
一度自分の家に戻り、荷物だけ置いて彼女の家に向かう。
彼女の家の玄関のそばまで来た時、視界の端に何かが映った気がした。
…そこで俺が見たのは、正直一番見たくなかったもので…
重なる二人の影。
お互いの存在を確かめるようにきつく抱き合って、微笑んだ二人。
そのまま二人の唇が触れ合った時、俺は思わず目を背け、電柱の影に隠れた。
その時に、手に持っていたコンビニの袋がガサッと音を立てたけど、正直今はそれどころではない。