君のとなりで恋をします。─上─
香純が誰を想っているのかなんて、昔から知っていた…。
だから、アイツが幸せならそれでいいって…
そう言い聞かせて気持ちを押し殺してきた。
そのはずなのに……
目の前であんな場面を見てしまうと、あまりにも辛くて…
今までは、香純の笑顔を見るだけで俺も幸せだった。
でもさっきの柊吾に向けた微笑みは…
胸が張り裂けそうなほど痛くて…
悔しくて、嫉妬で狂いそうで…
はぁ…キツ……。
まじで最悪なものを見た…。
涼し気な風が吹く夜。
改めて自分の失恋を実感した。