君のとなりで恋をします。─上─
失恋なんて、最初からわかっていたことだ。
だから今まで通り、彼女の幸せを願う男を演じきってやろう。
今は、アイツが笑ってくれるだけで十分だから。
そうすれば、いつかきっとこの想いも薄れていくはず。
元々、あいつらの邪魔をする気なんてサラサラねぇし。
でも…
もしあいつが泣くことがあれば、その時は絶対に柊吾を許さねぇ。
俺は小さくため息をついてから、重い腰をあげる。
さすがにもう終わってるよな?
はやくあいつにイチゴ牛乳を渡して、今日はなるべく早く帰ろう。
正直、今日はいつも通りに香純と接する自信が無い。
これから大好きな彼女に会うにも関わらず、足取りは重かった。
さっきコンビニで買ったアイスクリームは、ドロドロに溶けてしまっていた。