君のとなりで恋をします。─上─
部員が着替える間にボールを片付けて…
ボールが入った籠とスコアボードを倉庫に直しに行く。
「…貸して。」
私の後ろからボールの籠に手を添えたのは、柊吾で…。
フワッと香る彼の匂い。
部活終わりで、少し熱い彼の体温。
私を後ろから抱き締めるようなその体勢に、思わず顔が赤くなる。
「い、いいよ!
柊吾、疲れてるでしょ?」
「いいんだよ。
本当はこんなの選手がやるべきなんだから。
…みんな香純を当てにし過ぎ。」
ポンポンと優しく撫でられた頭。
マネージャーなんだから、これくらいやって当たり前だと思うのに…
頑張りを認められたような気がして、すごく嬉しかった。
…柊吾はちゃんと見てくれてる…。