君のとなりで恋をします。─上─
────────────
2人で手を繋いで、綺麗に手入れされた庭園を歩く。
もう夜も遅いため、他の宿泊客の事を考えて
建物とは少し離れた場所。
私は、庭に咲いた綺麗なムクゲの花にそっと触れる。
「綺麗だね。…夏って感じ。」
月明かりだけが頼りの真っ暗な夜空に、真っ白な花が映えていた。
「あのさ…香純。
……昼間のことなんだけど…」
柊吾がその言葉を発した瞬間、私の心臓は勢いよく跳ねる。