君のとなりで恋をします。─上─
「…よかった、折れてはなさそうだね。
でも固定はしとこう。」
彼の赤く熱を帯びた指に、グルグルとテーピングを巻いていく。
「やっぱり…
成宮って、テーピング巻くの上手いよな。」
「え?本当に?
それは素直に嬉しい。」
バスケ部のマネージャーをはじめてから、家で桜河相手に何回も練習したし。
心の中で密かにも喜んでいると、まっつんは再び痛そうに顔をしかめた。
「ごめん、痛かった?
…今日はもうあんまり無理しない方がいいかもね…。」
無理して悪化してもいけないし…、
「えー…まじかよ。
このあとから聖陵と練習試合なのに!?」
「聖陵とは、三日目も合同練習があるみたいだし…」