君のとなりで恋をします。─上─
広々とした敷地を出て、近くのドラッグストアで買い物を済ませる。
「ありがとうございましたー。」
明るい店員さんの声に見送られながら、テーピングとスポーツドリンクの粉が入ったビニール袋を持って出る。
もしさっき私が何も言わなかったら、柊吾は何て言ってたかな…?
付き合ってますって堂々と言ってたかな…?
それとも……
色んな妄想を頭の中でしてみるが、不意に悲しくなってやめた。
何考えてるんだろう…
そもそも、選手たちには付き合ってることを
秘密にしたいって言ったのは私の方なのに…
「はぁ……。」
深いため息をついて、総合体育館の広い敷地をドボドボ歩く。