君のとなりで恋をします。─上─
「怒んなってー。
香純ちゃんは柊吾のだもんなー(笑)」
「あはは…。
もう、キャプテン。何言ってるんですか。」
え…?もしかしてバレてる?
内心不安になりながらも、必死でその場を取り繕う。
「おーい、並べー。
試合始めるぞー。」
タイミング良く、審判役を務めるうちのコーチがホイッスルを吹いた。
「香純ちゃん、俺の事見ててね。」
「何やってるんですか、キャプテン。
…行きますよ。」
ズルズルとキャプテンを引っ張って行く柊吾と一瞬だけ目が合う。
フワッと柔らかく微笑んだ柊吾に、私はもうノックアウト寸前。
…やられた。