君のとなりで恋をします。─上─
精一杯笑ってみせるけど、彼からの返事は返ってこない。
ごめんね桜河。
私にとって桜河は、家族みたいに大切な人。
小さい時からずっと当たり前に隣にいて…
親友で、兄妹で、私の一番の心の拠り所。
大切だけど…
でも…私が今一番大切にしたいのは、やっと通じ合った柊吾との恋なの。
「結局お前も、俺を捨てんのかよ…」
「え…?」
「…お前がそうしたいなら、そうすれば?
俺ももう、勝手にお前ん家に上がり込んだりしねぇから。」
冷たく言い放ち、桜河は自分の宿舎の方へと歩き出す。