君のとなりで恋をします。─上─
北川監督の練習に参加できるなんて、きっとなかなかない機会だ。
そして必ず、我がバスケ部にとってもプラスになるはず…
「…水、汲んできます。」
ぺこりと一礼だけして、私は体育館を出た。
せっかくのレベルアップのチャンスを台無しにしたくない。
あんな言われ方をしてもちろん悔しいけど、それはきっとあの言葉が図星だったから。
元々私はバスケが特別好きだったわけでもなく、ただ柊吾の役に立ちたくて入部した。
…だから言い返せなかったんだ。