君のとなりで恋をします。─上─
低く鈍い音で鳴る心臓。
なんで……
「香純さんですよね、こんにちは。」
小柄な体に、タイトなトップスから浮き出る大きな胸。
肩までの長さの艶やかな黒髪。
「桃奈さん…」
なんでここに桃奈さんが……?
「彼氏の合宿にまで同伴しちゃうんだー。
……大変ですね。」
相変わらず私に向けられる彼女の視線は、思わず怯んでしまうほど鋭いものだ。
それに加えて、この嫌味たらしい言葉。
正直、かなりカチンとくる。