君のとなりで恋をします。─上─
「その時に、桃奈さんと…?」
あの時連絡が取れなくなったのは、それが原因なの?
私の問いに、柊吾はゆっくりと頷く。
「その夜、桃奈と一緒に夕飯を食べて…
そこまでは覚えているけど、それから先の記憶は全く無くて…
気づいたら朝で…隣に裸の桃奈が寝てて、
俺自身も何も着てなくて…」
正直、耳を塞ぎたくなるような話。
私と付き合う前のことだし、怒る資格も悲しむ資格も私にはないってわかってるけど…
私は、俯いて口をぎゅっと結んだ。
今口を開けば、酷いことを言ってしまいそうな気がしたから。
「ごめん、傷つけて。
…でも、俺が好きなのは香純だけだよ。
それだけは信じて欲しい。」
「…うん。」