君のとなりで恋をします。─上─









『さっきばあちゃんに…
〝香純と仲直りしろ〟って怒られた。』






「あ、光雄じいちゃんとヨシ子ばあちゃんに相談に乗ってもらって…」











今考えたら…桜河と気まずい関係になったことを、本人の祖父母に相談するのはさすがにまずかったかな?



〝ごめんね。〟と私が謝ると、〝別に〟と桜河は優しく言った。






それから少し間を置くと、桜河はまたぽつりぽつりと話し始める。











『ばあちゃんに〝素直になれ〟って…
思い切り尻叩かれた。


…から、言っていいか?』








「うん…。」











『───俺…

…お前と離れるのだけは、耐えられねぇ。』











はっきりとそう言った桜河。


低く掠れたその声に、胸がきゅうっと締め付けられるような感覚。









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