君のとなりで恋をします。─上─
私は隣で呑気に欠伸をする桜河を睨んだ。
「もう!遅刻したらあんたのせいだからね!」
「眠れなかったんだよ、昨日。
新学期が楽しみスギテ。」
シレッとした顔でそう言う桜河。
もっとましな嘘な無かったのか?
桜河が〝新学期楽しみすぎて寝れない〟とか絶対に有り得ないじゃん。
「どうせ、遅くまでゲームしてたんでしょ!」
「残念、ハズレ。マンガでした。」
…そんなクイズがしたいんじゃないわ。
しかもドヤ顔で言うんじゃない。
「てゆーか、あと2分じゃん!
急げ桜河!」
「おいこら、腕引っ張んな。」