君のとなりで恋をします。─上─
いや、元はと言えば桜河が悪いんだけどね?
咲花は基本的にみんなに優しいけど、特に桜河には昔から甘い。
咲花も、もっと桜河に怒ってもいいのに…
優しい優しい彼女の代わりに、私が桜河の背中を軽く叩く。
「…いちいち叩くなよ。変態。」
「なっ…!変態じゃないから!
… 人から話しかけられたんだから、最低限の返事くらいはしなよ。」
「あ?…あぁ、わりぃ。
聞こえなかった。」
昔から隣に住んでいたのもあって、桜河は私の弟のような存在。
とはいっても、桜河の方が誕生日は早いんだけど…。
桜河があまりにもだらしないから、ついつい気にかけてしまう。
「…あれ?そういえば柊吾は?」
なんか人数少ないなと思ったら、柊吾がいない。