君のとなりで恋をします。─上─
ふと香純の方を見ると、彼女もこちらを見ていて…視線がぶつかる。
少しだけ恥ずかしそうにはにかんだ彼女が、愛おしくて仕方なかった。
自慢の彼女。
やっと実った初恋。
ずっとずっと大切にしていきたい。
「かすみおねぇちゃん!
ゆーくんね、えのぐもってきた!」
優吾は絵の具セットが入ったカバンを首から下げ、筆を洗う用の水が入ったバケツを両手で抱えて駆け寄る。
「お!えらいねー!」
駆け寄る優吾を抱き締めようと、香純は両手を大きく広げてしゃがむ。
…なんだろう……。
何故だか嫌な気しかしない…。