ポンコツ女子、異世界でのんびり仕立屋はじめます
「嫌よそんな! エリザベスさまはまだしも、私のいつもの姿を知っているお客さまだって招待客で来るかもしれないのよ? 心は女性で売っているのに、男装の姿を見せたら警戒されるかもしれないし」
「大丈夫だよ。クラレットの変わりようはすごいから、きっと誰も気付かないよ」
「エリザベス令嬢のところには世話になっているから、あまり不義理なことはしたくなかったのが……。そんなに嫌なら断るか」
アッシュとセピアと私の視線を一身に受けたクラレットが、「もう!」と怒鳴った。
「分かったわよ! 行けばいいんでしょう行けば! ケイトあなた、私がエスコートするんだから、淑女らしい振る舞いをしなさいよ。くれぐれも私に恥をかかせないでちょうだい」
「えっ……」
ちっとも話に参加していなかったのに、なぜか私が怒られてしまった。
「やった、久しぶりにクラレットの男装姿が見られる」
「浮かれるんじゃないわよ、セピア!」
がるるる、と肉食獣のように毛を逆立てているクラレットを見るに、男の姿をするというのはよほど嫌なことらしい。
「大丈夫だよ、ケイト。クラレットは淑女としても紳士としても自分に厳しいから、きっときっちりエスコートしてくれるよ」
不安になる私に、セピアはこそっと耳打ちをした。
「大丈夫だよ。クラレットの変わりようはすごいから、きっと誰も気付かないよ」
「エリザベス令嬢のところには世話になっているから、あまり不義理なことはしたくなかったのが……。そんなに嫌なら断るか」
アッシュとセピアと私の視線を一身に受けたクラレットが、「もう!」と怒鳴った。
「分かったわよ! 行けばいいんでしょう行けば! ケイトあなた、私がエスコートするんだから、淑女らしい振る舞いをしなさいよ。くれぐれも私に恥をかかせないでちょうだい」
「えっ……」
ちっとも話に参加していなかったのに、なぜか私が怒られてしまった。
「やった、久しぶりにクラレットの男装姿が見られる」
「浮かれるんじゃないわよ、セピア!」
がるるる、と肉食獣のように毛を逆立てているクラレットを見るに、男の姿をするというのはよほど嫌なことらしい。
「大丈夫だよ、ケイト。クラレットは淑女としても紳士としても自分に厳しいから、きっときっちりエスコートしてくれるよ」
不安になる私に、セピアはこそっと耳打ちをした。