ポンコツ女子、異世界でのんびり仕立屋はじめます
「あなたのドレスも素敵じゃない。アッシュはいい仕事するわね」
そうなのだ。時間がないにも関わらず、アッシュは私のドレスまで仕立ててくれた。例によってサンプルのサイズ調整をしたものだが。
「うん、すごく可愛い。着こなせているか不安だけど」
グリーンのシフォンを何枚も重ねたドレスは、『千枚ミル・の葉フィーユ』というテーマらしい。裾には銀の糸で細かな刺繍が入っていて、シフォンが揺れるたびにきらきらと主張する。
晩餐会用のドレスは普段使いのものと違って、よりお姫様らしい雰囲気。肩も腕もむき出しになるし、軽い着心地は本当に葉っぱをまとっているみたい。
「馬鹿ね。似合っていないのにドレスだけ褒めるわけないでしょ」
クラレットが呆れたように私の顏を見る。
「そ、そうなの? あ、ありがとう……」
ドキッとして、お礼の言葉が不自然にうわずってしまった。
「そうよ。淑女なら、にっこり微笑んで素直にお礼を言っておけばいいの。教えたでしょ?」
「うん、そうだったね」
クラレットの腕につかまりながら、ふわふわした気持ちで馬車まで歩いた。
そうなのだ。時間がないにも関わらず、アッシュは私のドレスまで仕立ててくれた。例によってサンプルのサイズ調整をしたものだが。
「うん、すごく可愛い。着こなせているか不安だけど」
グリーンのシフォンを何枚も重ねたドレスは、『千枚ミル・の葉フィーユ』というテーマらしい。裾には銀の糸で細かな刺繍が入っていて、シフォンが揺れるたびにきらきらと主張する。
晩餐会用のドレスは普段使いのものと違って、よりお姫様らしい雰囲気。肩も腕もむき出しになるし、軽い着心地は本当に葉っぱをまとっているみたい。
「馬鹿ね。似合っていないのにドレスだけ褒めるわけないでしょ」
クラレットが呆れたように私の顏を見る。
「そ、そうなの? あ、ありがとう……」
ドキッとして、お礼の言葉が不自然にうわずってしまった。
「そうよ。淑女なら、にっこり微笑んで素直にお礼を言っておけばいいの。教えたでしょ?」
「うん、そうだったね」
クラレットの腕につかまりながら、ふわふわした気持ちで馬車まで歩いた。