ポンコツ女子、異世界でのんびり仕立屋はじめます
「ついでだから、ケイトに相談があるんだけど」
笑顔のままウォルに話しかけられたが、身構えてびくっとしてしまう。クラレットはまだ、怒った顔でこちらを睨んでいるし。
「は、はい。なんでしょう」
「どうせだったら、夕飯を一緒に食べながら相談させてくれないかな。君の世界の話もいろいろと聞きたいし」
「え……」
同じ日にセピアとウォル、ふたりの男性に誘われるなんて、今日はモテ日なのだろうか。せっかく誘ってもらったけれど、今日はセピアとの先約がある。というかそもそも、お客さんとプライベートで会ったりしても大丈夫なのだろうか?
助けを求めるようにクラレットを見ると、しぶい顔をして首をかすかに横に振った。あっこれは、ダメなパターンだ。
「あの、ごめんなさい。今日は用事があって……」
たまたまセピアと約束していて良かった。嘘の用事で断るのは心が痛むし。
「それは、私の誘いよりも大事な用事?」
ウォルが、まっすぐに見つめてくる。目だけが笑っていなくて、心臓がドキッと音を立てた。なんだろう、この無言の威圧感は。
「えっ……。それは、えっと……」
あわあわしていたら、ウォルがふっと息をはいて、いつもの表情に戻った。
「冗談だよ。困らせて悪かったね」
「いえ……。でも相談でしたら、今聞きます。良かったらソファのほうに……」
まだ少し、心臓がばくばくしている。クラレットも心配そうに私を見ていた。
笑顔のままウォルに話しかけられたが、身構えてびくっとしてしまう。クラレットはまだ、怒った顔でこちらを睨んでいるし。
「は、はい。なんでしょう」
「どうせだったら、夕飯を一緒に食べながら相談させてくれないかな。君の世界の話もいろいろと聞きたいし」
「え……」
同じ日にセピアとウォル、ふたりの男性に誘われるなんて、今日はモテ日なのだろうか。せっかく誘ってもらったけれど、今日はセピアとの先約がある。というかそもそも、お客さんとプライベートで会ったりしても大丈夫なのだろうか?
助けを求めるようにクラレットを見ると、しぶい顔をして首をかすかに横に振った。あっこれは、ダメなパターンだ。
「あの、ごめんなさい。今日は用事があって……」
たまたまセピアと約束していて良かった。嘘の用事で断るのは心が痛むし。
「それは、私の誘いよりも大事な用事?」
ウォルが、まっすぐに見つめてくる。目だけが笑っていなくて、心臓がドキッと音を立てた。なんだろう、この無言の威圧感は。
「えっ……。それは、えっと……」
あわあわしていたら、ウォルがふっと息をはいて、いつもの表情に戻った。
「冗談だよ。困らせて悪かったね」
「いえ……。でも相談でしたら、今聞きます。良かったらソファのほうに……」
まだ少し、心臓がばくばくしている。クラレットも心配そうに私を見ていた。