ひとみ




「夏実!」



大勢の人ごみの中に勇介の姿があった。



「もう帰ろう!こんな寒い中に、三時間近くいたら風邪引く!!」



あたしは首を振った。



「でも来るかも、」



勇介があたしの肩を揺らしながら行った。



「来ない!来ないんだ!あいつは友里と歩いてた!!くるはずない!」



くるはずない・・・



知ってるよ。






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