ひとみ
蘇る記憶
中学の時、あたしたちは同じ部活に所属していた。
そう呼ぶのは、部内で彼だけ。
彼だけはあたしをこう呼んだ。
「なっちゃん」
あたしを愛してくれた人、
あたしの愛した人。
恋人たちのクリスマスが近づくと、あたしたちはデートの約束をした。
誰もがするように、そうした。
でも、いつまでたっても、俊は来なかった。
やっと来た俊の横には女の子が立っていた。
現実を突きつけられた気がした。
あたしだけが被害者な気がした。
そしてその夜、一本の電話が鳴った。
――俊が死んだ。――
しかも、大切な幼なじみのために。
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