ひとみ



あたしをなっちゃんと呼んだのはあの人以来だ。



何だか、恥ずかしい。



あたしはあの夜のことを思い出していた。





あの日も、空は満天の星で輝いていた。



あたしは、駅前の大きなツリーの前で、毛糸のマフラーを持っていた。



12月24日。



恋人たちのクリスマスは、あたしたちのクリスマスでもあった。






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