ひとみ




「なんで勝手に帰ったの?」



隼人くんに聞かれて、あたしは口を噤んだ。



真紀があたしたちを見ている。



「今日部活あるからって!遅れないよーに。ほら、とっとと帰った!」



あたしは追い払うかのように隼人くんたちをどけた。



「なっちゃん、なっちゃんは何を考えてんの?」



その言葉にあたしは固まった。



「昨日は俺の腕の中にいたのに、どうして今日はこんなに離れているの?どうして、俺から離れていくの?」



その言葉に真紀が反応した。



「早く帰んな。」



真紀が言うと、隼人は渋々教室から出て行った。



「あんた、なんかあったの?」






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