ひとみ
すると、隼人くんは俯いて、あたしの前に手を出した。
「だめだめっ、近いよっ、なっちゃん。反則っ。」
「昨日、真紀さんと啓太はデートしてたんだっ。そしたら、五十嵐さんが現れたらしくて・・・。彼は、前から真紀さんを好きだったらしいんだ。啓太は彼に引き渡したんだ。五十嵐さんに彼女から離れろって言われて、あっさり帰って行った。それに真紀さんは怒ってるんだと思う。」
あたしは微笑んで隼人くんに言った。
「隼人くん、啓太くんを連れてきて。」
あたしは、少し困ったように呟いた隼人くんの手を握った。
すぐに隼人くんは笑って連れてきてくれた。
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