ひとみ




あたしが目を覚ますとベッドに寝ていて、ベランダには隼人くんがいた。



自然と波の音がする。



磯の香りもする。



うっとりする。



「起きたの?」



隼人くんの言葉であたしは目を開けた。



髪を染めた後、勇介と話し込んでいつの間にか寝てしまったらしい。



とにかく隼人くんに手を引かれて、あたしたちは夕食に向かった。






「隼人、夏実が困ってるよ。」



勇介の声で隼人くんはやっとあたしの手を離した。



隼人くんは、あたしを見たまま動かなかった。






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