ひとみ




冬じゃないのに、この辺りの夏の朝は、冬のように寒い。



あたしは海辺へと出た。



あたしが海辺で波を辿って歩いていると、隼人があたしに気がついて、歩みを止めた。



あたしが隼人に追いつくと、隼人はあたしの手を握った。



そして力なく言った。



「昨日はごめんね。」



あたしは覚悟を決めていた。






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