【番外編 完】愛を知らない彼
つながり 〜千花〜
「おはようございます」

「あっ、千花先生おはようございます」

そう言って、にやにやしながら私を見るのは由美ちゃん。

「な、なに?」

「見ましたよ、千花先生。昨日、そこのカフェで男の人といましたよね?」

「う、うん。昨日、園を出たところで車に轢かれそうになったの。それを助けてくれた人が、私が落ち着くまで一緒にいてくれたの」

「あの人ですよ!いつも千花先生を見つめていた人」

「えっ?そうなの?」

「そうてすよ!先生、告白されちゃったりしました?」

「うっ……」

「わあ、そうなんですね?付き合うんですか?」

「ち、ちがうの。私のことが気になるって言われただけなの。だから、また話がしたいって」

「すごぉい!あの人すごくハンサムだし、きているスーツも高級そうだし……うらやましいなあ」

「由美ちゃん、この辺にしてお仕事だよ!」

「はーい。進展があったら教えてくださいよ!!」

……告白ではないんだよね……ただ、私のことが気になるというだけ。まあ、お互いの事を何も知らないんだから、まずはお友達として、ということかな?
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